6. 方言と分布
6.1. 分布
ソマリ語は、ソマリ民主主義共和国*1、エチオピアのオガデン地方、ケニア北東部、ジブチ共和国南部で使われている(中野、1989)。
6.2. 話者数
ソマリ語の話者の推定数は年々増加しており、この20年で約4倍になっている。
資料 | 発行年月 | ソマリ語話者の推定数 |
言語学大辞典 | 1989,9 | 約300万人 |
世界のことば小事典 | 1993,6 | 600万人位 |
事典世界のことば | 2009,4 | 約1200万人 |
世界言語百科 | 2009,9 | 10,000,000~15,000,000人 |
6.3. 方言
ソマリ語の方言には北部方言、中部方言、沿岸方言、そして南イエメン*2で寄留民が使うジャバルティ方言などがある(中野、1989)という。その分布概念図は次のとおりである。
(中野(1989)から転載)
注
- *1 現ソマリア共和国。『言語学大辞典』編纂当時はソマリ民主主義共和国であった。2012年現在は内戦が続き、ソマリア共和国の他にソマリランド共和国、プントランド共和国などの勢力がそれぞれ存在し、政治的混乱があるが一まず措く。人口の増加も含め、この二十年で状況は大きく変っている。
- *2 『言語学大辞典』編纂当時はイエメンは南北に分断されていた。
参考文献
- 柘植洋一「ソマリ語」『事典 世界のことば 141』大修館書店、2009
- 中野暁雄「ソマリ語」『言語学大辞典 第2巻 世界言語編(中)』三省堂、1989
- 中野暁雄「ソマリ語」『世界のことば小事典』大修館書店、1993
- ピーター・K・オースティン編(日本語版監修・沢田治美)『ビジュアル版 世界言語百科――現用・危機・消滅言語1000――』柊風舎、2009