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はじめに――またはソマリ語の必要性

ソマリ語との邂逅

今年平成23年11月8日、筆者中村はブックオフで『ソマリア語辞典』(渡邉、2002)という辞書を発見した。そのとき筆者の脳裡に、少し前に読んだニュース記事がよぎった。

オマーン沖のアラビア海で日本の海運会社のタンカーを襲撃したとして、自称ソマリア生まれの男らが海賊対処法違反の罪で起訴された事件で、被告らが話す「ソマリ語」の通訳を確保するめどが立たず、起訴から3か月近くたっても裁判を開くための手続きを開始できないことが分かりました。

ソマリ語は日本で裁判が開けないほど日本に学習者がほとんどいない言語のはずだ。そのソマリ語に辞書があったのかと筆者は少し驚き、俄然興味を惹かれた。

ソマリ語の必要性

ソマリ語*1(Af Soomaali)は、東アフリカのソマリア(Soomaaliya)やその周辺国に住むソマリ族(Somali)によって話されている言語である。ソマリ語には1000万人から1500万人の話者がおり(オースティン、2009)、決して少くない。にも関らず、日本にはソマリ語の学習者はまれである。

その理由は第一にその政治状況にあるだろう。内戦が続くソマリアは世界最貧国の一つである。その治安の悪いソマリアに出かける日本人はほとんどいない*2。また、ソマリアから日本に来る人も同様にまれである。そして第二に、第一の理由のため、ソマリ語について書かれた日本語の文献が不足している*3

しかし、これだけ多くの話者を擁する言語の通訳ができる者が国内にいない状況は危険ではないか。現に我々は海賊裁判において困惑を喫している。また、ソマリアは日本の支援を必要としている。

今後日本人はソマリ語の必要性に直面する可能性がある。そのとき、今の貧弱な日本語によるソマリ語の資料ではとても太刀打ちできないだろう。筆者は大学で国語学と言語学を少し学び、今大学院で国語学を学んでいるのみであり、ソマリ語に関しては素人である。だが、このわずかな力で日本国内で集められるだけの情報を集め、来るべきソマリ語が必要な時代(願はくば良い意味で)に備えたいと思う。また、信頼性を担保するために、できる限り細かく出典を示すように心がける。しかし、話者の協力もなく、素人の勉強ノートにすぎない本稿は誤りが多いであろう。諸氏の忌憚なき批正と、新情報の提供を乞う*4

参考文献

参考サイト